- 2025.06.01
今月の1枚(2025年6月)
2025年6月は、オスカー・ココシュカの作品です。
「アルジェリアの女」 1930年 油彩 78.0×99.0㎝
現在、この作品は当館常設展示室でご鑑賞いただけます。
オスカー・ココシュカ(1886年-1980年)
グスタフ・クリムトやエゴン・シーレと並ぶ、近代オーストリアを代表する画家の一人。内面の理知と情念の葛藤を描いた心理的肖像画と、バロック的な激情を示す風景画や寓意的な人物がなど、表現主義的傾向が強い。その挑発的な表現から《アンファン・テリブル(恐るべき子供)》と呼ばれた。
1907年、「ウィーン工房」に所属。当時、「ウィーン分離派」のグスタフ・クリムトや、ホドラー、ムンクの影響を強く受ける。1910年、ベルリンに赴き、表現主義の『デア・シュトルム(嵐)』グループに参加。第一次世界大戦で負傷。第二次世界大戦時は、ナチスによる前衛芸術の取り締まりがあり、ココシュカの作品も「退廃芸術」と見做され、400点余の作品が没収された。1920年代よりヨーロッパ、中近東を遍歴した。本作「アルジェリアの女」もその折に描かれたものである。1953年以降スイスに定住。1980年2月、生まれ故郷ペヒラルンにも似たモントルーで、93歳の生涯を終えた。