当館は1975年5月に開館し、来年開館50周年を迎えます。

開館以降、200回以上の企画展や所蔵品展の開催を続け、当初合計559点ほどだった所蔵作品も次第に増え、現在では約1500点ほどまでになりました。

そこで、2024年10月21日(月)より2025年3月4日(火)まで「開館50周年記念 50年の歩み展 PART1/PART2」と題しまして、当館で所蔵する企画展作家の作品を中心に、約90点を2回に分けて展示いたします。

 

 

 

 

 

まず、10月21日(月)から12月17日(火)までの「PART1」では、1975年から2000年までに開催された企画展展示作品の中から、63点を展示いたしております。

 

 

 

 

 

当館開館時期から2000年までというのは、日本の経済成長や社会の変化に伴い、美術のスタイルやテーマも大きく変わった時代です。

1970年代は前衛芸術や抽象表現主義が主流で新しい表現方法を模索され、

1980年代はポストモダンやコンテンポラリー・アートが台頭し、

1990年代はデジタルアートやインスタレーションが増加し、視覚的なインパクトの強調が多くなりました。

 

 

難波田龍起は西洋の抽象的な表現と日本人ならではの深い精神性を融合させ、日本の美術界に大きな影響を与えた。

《ファンタジー青》もヨーロッパ戦後のアンフォルメル絵画の影響を残しつつ、あくまでも作者独自の東洋的詩情を貫いている。

 

 

 

色彩対比、人物のフォルム、画面構成にキュビスムの方法を借りた《新幹線》。

島田章三の作品は、日常の出来事をモチーフにしながら、世俗的ではなく、聖画像のような脱俗的図像表現を特徴とする。

 

 

 

映画製作でも活躍していた池田満寿夫のモダンなカメラ・アイ的感覚が顕著な《ロケーションアンドシーン》 シリーズの一作《草の上の劇場》

 

 

 

靉嘔は、すべての物体、イメージを虹色で分解し、再構築する「虹のアーティスト」として知られる。

本作は1979年の開催の企画展で展示された《レインボーナイト》。

 

 

 

当館2024年カレンダーにも使用された栗原一郎の《街の女》。女の孤独と哀愁が、研ぎ澄まされた無彩色の空間にて表現された作品。

 

 

 

斎藤吾朗のふるさと三河の赤絵の風土記の一部《おばあさんのモナ・リザ》。

斎藤氏はルーブル美術館のダヴィンチの『モナ・リザ』の模写を、シャガールの次に許可された作家である。

 

 

 

綿の撚糸による独特のマクラメ美術。中村木美《愚かに見える天使》

 

 

 

今回の個性溢れる作品たちからも、時代の変遷を見つけることができるかもしれません。

 これまで歩んできた池田20世紀美術館の企画展の歴史とともに、お楽しみいただければ幸いです。

 

 

是非、皆様お誘いあわせの上、お出かけ下さい。