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- 2025.11.16
開館50周年記念「重岡建治展」ギャラリートークを開催いたしました(2025/11/15)
11月15日(土)、企画展「重岡建治展」の開催を記念し、ギャラリートークが行われました。
重岡建治先生は今年2月にご逝去されましたが、伊東市で長年活躍された彫刻家の70年の歩みを振り返るこの会には、生前親しく交流のあった方々やファンなど約100名が集まりました。

(開演前より、すでにたくさんのお客様にお集まりいただきました。)
最初に当館館長より、開会のご挨拶とともに、当館の概要と今回の展覧会の経緯についてお話させていただきました。

企画展での展覧会は年4回、うち三回が現在活躍されている作家の方、もしくは今後活躍を期待される方の展覧会を行います。重岡建治先生の展覧会は今回で二度目となりますが、これは地元の皆さまからの強いご要望によって実現したものでした。当館の開館50周年を記念し、3年前から準備を進めてきました。
そして、トークでは、まずDVD上映が行われました。

袋井市政10周年を記念して駅前広場に設置されたモニュメント《大地から宙へ》の舞台裏です。
風の強い日、電車が動き出す前の早朝4時から始まった設置作業は、高さ8メートルを超える重量ある彫刻を据え付けるという大変な挑戦でした。長年先生の作品を撮り続けてきた写真家・武智幹夫氏による解説とともに、その緊張感あふれる現場の様子が伝えられました。

(長 年、先生の作品を撮り続けてきた武智幹夫氏)

(青空に向ってそびえ立つ モニュメント《大地から宙へ》)

(完成式典で挨拶する当時の袋井市長・原田英之氏)

(テープカット直前 にこやかにご挨拶される重岡先生)
続いて株式会社石井石材の石井幸太郎社長が、現場での先生とのやり取りをお話してくださいました。
石井社長は、先生との作業で苦労したことは一切なかったと断言し、「常に同じ目線で働き、周囲への配慮を欠かさない方だったので、工事関係者も仕事がしやすかった」と語られました。

また、先生の最後の仕事となった富士宮のリズム保育園や、福島県飯館村の道の駅での作品の設置についてお話され、園児や地域の人々の未来を見据えた先生の想いが込められている作品であったことが伝えられました。
引き続き、武智氏の撮影した写真とともに、作品の思い出を辿ります。懐かしい方とのお写真もありました。

(内弟子として入門した 彫刻家・圓鍔勝三氏とともに)

(イタリアでの師匠・エミリオ・グレコ氏と)
また、先生の弟で画家の重岡中山さんからは、満州での幼少期から熱海で過ごした日々の思い出が語られ、兄弟の絆を感じさせるエピソードに会場は温かい空気に包まれました。

(二人で大福を売りに出た話や、こっそり映画館に入れてもらった話など、客席からは笑いがこぼれていました。)
最後にご長女の恵美里さんが、これまで支えてくださった方々への感謝を述べられ、会は温かな拍手の中で締めくくられました。

恵美里さんは、今回の展覧会に際し、宣伝素材や図録の制作、会場設営に至るまで尽力されてこられました。その結果、展覧会を無事に開催し、このギャラリートークにも多くのお客様をお迎えすることができました。重岡先生も、きっとお喜びになっていることと思います。
企画展「重岡建治展」は2026年1月13日(火)まで開催しています。彫刻家・重岡建治先生の70年の軌跡を辿る展覧会に、ぜひ足をお運びください

(DVD上映の袋井市に設置された作品《大地と空》の雛型も展示されています)

