6月26日(木)より当館企画展示室において開館50周年記念「水村喜一郎展 生きて、旅して、絵を描いて・・・」を開催いたしております。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

水村喜一郎は1946年、東京都墨田区向島に、とび職の親方の長男として生まれました。

 

 

 

幼少期から絵を描くのが好きだった水村少年は、その才能を育みます。

 

 

 

小学校1年生の時に描いた《ニワトリの親子》や《キリン》など、

 

 

 

 

 

 

とにかく動物を描くのが大好きだったそうです。

 

 

 

 

しかし、9歳の時、鉄塔に上っているときに高圧電線に触れるという事故をおこします。

水村少年は、これにより両腕を失ってしまいます。

 

 

 

 

しかし事故からまもなくして、少年は《花》を描き上げました。

氏はこの時の気持ちを次のように思い出します。

 

 

 

 

 

 

 

『両手を失ってもすぐ口でくわえて 何の苦もなく楽しくって嬉しくって 目の前が明るくなった』

 

 

 

 

この出来事をきっかけに画家への道を歩み始めた水村は、中学1年生の時から油絵を始めます。

 

 

 

 

 

 

 

さて、本展のサブタイトル「生きて、旅して、絵を描いて・・・」にあるように、

水村にとって人生は旅のようなものであり、旅に出れば絵を描く、そして絵を描くということは、生きることそのものでした。

 

 

 

外国の街並みや、

 

 

 

 

 

 

雪国の夜景、

 

 

 

 

 

 

 

暗い雪の夜に息をひそめるように灯る家の明かり

 

 

 

賑やかな店の明かりなど、

 

 

 

 

 

 

水村は旅先で数々の風景を作品に収めました。

 

 

また、

 

 

友達のように酒を交わした恩師 《O先生像》や、

 

 

 

 

 

 

物資も人間も行き来する運河、その運河の船溜まりなど、旧きよき下町の風景や、

 

 

 

 

 

 

運河沿いに建つ工場、

 

 

 

 

 

 

 

 

夕暮れの水面は鉄橋を映し、一艘の船がどこかへ行きます。《運河の鉄橋 夕景》

 

 

 

 

 

 

そして鉄橋を渡って《家路へ》。

 

 

 

 

 

 

 

これらの作品すべてに人生という旅の軌跡が刻まれています。

 

 

 

本展では、こうした水村の人生を絵画を通じて辿ることができます。

 

 

 

ぜひ、ご来館いただき、詩魂の画家・水村喜一郎が描き続けた旅の軌跡をご覧ください。