当館企画展示室では、2025年10月16日(木)より、開館50周年を記念した企画展「KENJI SHIGEOKA 重岡建治展」を開催しております。彫刻家・重岡建治先生の創造の軌跡をたどる本展では、代表的な彫刻作品53点をはじめ、原画デッサン22点、思い出を映す写真など、彫刻家人生70年にわたる歩みをご覧いただけます。

 

 

 

(今回ポスターやチラシのメインビジュアルとなった《空へ》(1978・ブロンズ)

 

 

 

 

(東京都あきる野市駅前広場設置《大地より生まれる》雛型(1986・木彫り)

 

 

 

 

重岡先生は旧満州ハルビンにお生まれになり、少年期に引き揚げて日本へ。熱海を経て伊東市に居を構えられました。彫刻家・圓鍔勝三氏に師事したのち、1971年にはイタリアへ留学し、エミリオ・グレコ氏のもとで研鑽を積まれました。

 

 

帰国後は国内外で精力的に創作活動を展開され、全国各地の公共施設や公園に数多くのモニュメントを残されています。

 

 

 

(熊本市-平和記念原爆犠牲者の像-《十字のピエタ》の雛型(1995・ブロンズ)

 

 

(静岡県袋井市駅前南口広場設置モニュメント《大地から空へ》の雛型(2016・FRP)

 

 

「誰にでもわかり、受け入れられる彫刻」を信条とし、「触れる彫刻」という独自のコンセプトのもと、家族の絆や愛をテーマにした温もりある作品を数多く生み出されました。その緻密で優しい造形は、今もなお多くの人々の心に寄り添い続けています。

 

 

 

(《遊ぶ》(1986・ブロンズ)は無邪気な子供の躍動感を表現)

 

 

(家族のつながりをテーマに追求された作品のひとつ 北京オリンピック記念公園設置《絆》の雛型(2011・ブロンズ)

 

 

 

「まるで彫刻の林のように──」

 

 

 

 

 

 

 

本展に向けて、重岡建治先生は「林のように彫刻を並べたい」と語られていました。

 

 

 

 

 

作品一つひとつが木々のように佇み、静かに語りかけてくるこの空間は、 「林の中を歩くように、彫刻と出会ってほしい」──そんな重岡先生の願いをかたちにした展示構成です。

 

 

(風を切って駆ける、ブロンズの《騎士》(1984・ブロンズ)

 

 

 

 

どうぞ足をお運びいただき、重岡建治先生の豊かな創造の世界に触れていただければ幸いです。

 

 

 

 

(JOC日本スポーツ大賞トロフィー《昇華》雛型(1992・アルミ)

 

(《春馬》(1978・ブロンズ)と、創作に励む先生の姿を映した、在りし日の記録)