- 2025.07.01
今月の1枚(2025年7月)
2025年7月は、フェルナン・レジェの作品です。
「佇む女」 1945年 油彩 51.5×34.5㎝
現在、この作品は当館常設展示室でご鑑賞いただけます。
フェルナン・レジェ(1881年-1955年)
フェルナン・レジェは、機械的な美と幾何学的形態を通じて、モダニズムとキュビスムに新たな視点をもたらした革新的なフランスの画家である。
アルジャンタンで生まれ、カーンで建築家の徒弟となった後、パリに出てアカデミー・ジュリアンで学ぶ。1911年頃より、ピカソやブラックと交流し、キュビスム運動に参加。円錐形を用いた独自のダイナミックなキュビスムの画風をうちだす。第一次世界大戦に従軍するが、任務中、毒ガス攻撃に合う。退役後、都市における産業文明の造形美に魅了され、「新しいリアリズム」を提唱した。第二次世界大戦中は、アメリカに亡命。戦後は、庶民の日常的な世界を、力強い輪郭線と明快な色彩で表現する様式を確立。本作「佇む女」もまたその特徴を持ち、これらの要素が、リアルでありながら平明で親しみやすい画調を生み出している。