2024年6月は、オスカー・ココシュカの作品です。
「バラと夏の花」 1972年 リトグラフ 64.0×54.0㎝
現在、この作品は当館収蔵庫にあります。今後、当館で行うテーマに沿った企画展で紹介していきます。

 

オスカー・ココシュカ(1886-1980)

クリムト、シーレと並ぶ、近代オーストリアを代表する画家の一人。オーストリア、ペヒラルン生まれ。ウィーンの美術工芸学校在学時代から「ウィーン工房」に所属し、クリムト、ホドラー、ムンクの影響を受けた。1910年ベルリンに赴き、表現主義雑誌『シュトルム(嵐)』誌の同人となる。1937年ナチスによって「頽廃芸術家」の烙印を押され400余点の作品が没収される。ヨーロッパ、中東を遍歴、1953年以降はスイスに定住。内面の理知と情念の葛藤を描いた心理的肖像画とバロック的な激情を示す風景画や寓意的な人物など表現主義的傾向が強いが、ココシュカはウィーン分離派、「青騎士」、「ブリュッケ」などの当時の芸術運動やグループには参加せず、終始独自の道を歩んだ。