- 2025.09.01
今月の1枚(2025年9月)
2025年9月は、フアン・グリスの作品です。
「手を握る女」 1924年 油彩 81.5×59.7㎝
現在、この作品は当館常設展示室でご鑑賞いただけます。
フアン・グリス(1887年-1927年)
ピカソやジョルジュ・ブラックと並び、キュビスムを代表する画家。1887年にスペインのマドリードで生まれる。出生時の名前はフアン・グリスではなく、1905年に改名している。1906年、パリに移り住み、1910年頃からキュビスムの影響下に制作を進めた。コラージュ、パピエ・コレ(貼り絵)や、絵具に砂や灰を混ぜるマチエールの方法を採用した。様々なテクスチャや色を用いた調和のとれた作品を生み出す「総合的キュビスム(Synthetic Cubism)」の発展には、グリスが大きく貢献した。典雅荘重なリリシズムに交えられた本作「手を握る女」は、哲学的で瞑想的な雰囲気を持っている。1927年、長い闘病生活の末に40歳で亡くなったが、その短い生涯にもかかわらず、ダリをはじめとし、多くの芸術家に影響を与えた。