2025年12月は、ジョアン・ミロの作品です。
」 1970年 油彩 90.5×59.5㎝
現在、この作品は当館常設展示室でご鑑賞いただけます。

 

 

ジョアン・ミロ(1893年-1983年)

 

スペイン、バルセロナ生まれ。ミロの描く世界は、生地カタルーニャ地方の歴史、風土に深く関わっている。

1918年ダルマウ画廊で初個展。1919年よりパリ行きを計画し、20年にパリのピカソのアトリエを訪れキュビスムの影響を受ける。1924年アンドレ・ブルトンと知り合い、25年にシュルレアリスム運動に加わる。理性的な制御から解放され、潜在意識が筆をランダムに動かし描く《夢のようなオートマティスム》を実現。29年に方向性の違いから運動とは決別するが、以降もこの時期のスタイルを生涯維持し続けた。スペイン内乱の暗黒の時代を経て、1940年から41年にかけて制作された『星座』シリーズでは、ヒエログリフ(象形文字)化した星、月、太陽、鳥、女で宇宙的な神話を繰り広げ、天真爛漫な詩的幻想の世界を表現している。本作『女』でも、宇宙や大地のシンボル・マークとしての〈女性〉が、抽象的、象徴的表現で描かれている。初来日は1966年。日本の俳句の特徴である簡潔さと奥行き、自然や日常の瞬間を捉える感性が、自身の作品と類似していることに気づき、日本の文化を愛した。1970年には大阪の万国博覧会(EXPO ’70)のガス・パビリオンのために、陶板壁画『無垢の笑い』を制作し話題を呼んだ。1983年のクリスマス、スペイン・マヨルカ島で死去。