2025年3月は、サルバドール・ダリの作品です。
「ウルトラシュルレアリスト・ガルツカの微粒子」 1971年 リトグラフ 50.5×40.0㎝
現在、この作品は当館収蔵庫にあります。今後、当館で行うテーマに沿った企画展で紹介していきます。

 

 

 

 

サルバドール・ダリ(1904年-1989年)

 

シュルレアリスム(超現実主義)の奇才。スペイン、カタルーニャ地方フィゲラス生まれ。彼の名前〈サルバドール(Salvador)〉は、スペイン語で〈救世主〉や〈救済者〉を意味する。1925年、バルセロナ・ダルマウ画廊での初個展を開催。このときピカソに誘われパリを訪れ、シュルレアリスム運動に加わる。その象徴的存在にまで昇りつめたが、1934年に創設者のブルトンと対立してグループを除名される。しかし、《他のシュルレアリストたちと私の違いは、私こそがシュルレアル(超現実)である》という彼の言葉どおり、ダリはシュルレアリスムの真の精神を体現し続け、「偏執的批判方法」に基づく独自の画境を作り上げた。40歳を過ぎた頃、カトリックに帰依し、神秘主義の傾向を強め、宗教画を多く描き始める。ミューズ(美神)である妻ガラを聖母に見立てた作品をローマ法王に献呈している。本作「ウルトラシュルレアリスト・ガルツカの微粒子」も妻ガラをモチーフにした作品の一つである。1989年1月23日、サルバドール・ダリは84歳で永遠の眠りについた。彼の遺体は、自身の願いにより、彼の作品が息づく故郷フィゲラスのダリ美術館の地下室に安置された。