水村喜一郎は1946年、東京都墨田区向島に、とび職の親方の長男として跡継ぎになるべく生まれる。幼い頃から絵を描くことが好きであったが、9才の時に高圧鉄塔の感電事故で両腕を失う。その後、口に絵筆をとり美術研究所へ通ったり、公募展へ出品。大野五郎、寺田政明両先生に師事。国内はもとより諸外国へ旅する。1980年洲之内徹氏の現代画廊で個展。その後各地で個展。現在主体美術協会会員。作家水上勉氏よりの竹紙絵も描く。詩魂の画家と評され、生きることの備忘録は描くことであり、心のふるさとを記憶、魂、空気の匂いまで画面に留めている。

今展では、水村が描いてきた幼少期の作品から近作まで約50点を一堂に展示します。どうぞ水村の作品をお楽しみください。